2011年11月1日火曜日

落語家への道は険しいのか?

「ザ・ノンフィクション・おんな落語家への道」
今年の1月に一度放送されたようで、先日再放送で初めて見ました。
youtubeにもアップされているようですね

落語は男の芸。かつてはそうでした。女性の寄席芸人さんは昔からいましたが
三味線漫談とか奇術(マジック)とかで、「落語家」にはなれなかった。
まあ歌舞伎の舞台に女の人が上がりたいと言うようなもんだったんです。

しかし、現在は女性落語家さんも随分と増えました。
その第一号が三遊亭歌るた(かるた)師匠。女性で初めて真打になった落語家さんです。

この番組は歌るた師匠に弟子入りをした、
IT企業の社員だった三遊亭歌る美(かるび!)さんと元役者の三遊亭多ぼうさん、
2人の女性落語家の前座生活を追うドキュメンタリーでした。

落語家は段階を経て身分が上がっていきます。

前座(4~5年)
この間は基本自由がありません。毎日師匠の家と寄席(演芸場)を行ったり来たり、
掃除、洗濯、師匠の身の回りの世話をしたり、寄席での仕事を覚えたりしながら、
落語家になる基礎をつくる期間です。前座期間が過ぎると二つ目となります。

二つ目(10年~)
ここからやっていいことが増える。自分の手ぬぐい作ったりとか。
自分で仕事をとって地方で落語会とか出ることができる(仕事が来ればですが)
当然師匠のところに毎日通わなくてもいい。
この二つ目の期間を過ぎますと、真打、正真正銘のプロというわけです。

真打になると、「○○師匠」と師匠付けで呼ばれるようになります。
現在は15年落語協会にいれば、まあ確実に真打になれます。あまり上手でなくても。
例外はありますが、基本的に年功序列の出世システムなんです。
そのことが今まで落語界に何度か騒動を引き起こしてきました。
まあ今日はこの話は置いといて…

落語界では、失敗したり機嫌を損ねたりする事を「しくじる」と言います。
落語家の弟子は盗みといった悪意のあるしくじりや、
師匠の言う事に反論したりしなければ、破門になることはあまりありません。
「気が利かない」でクビにした師匠もいたって聞きますけどね。
基本的には自分から「やめたい」と言わなければ続けられます。

いやあ、しくじってましたねえ。TV番組はそういうところクローズアップしたがるとはいえ…。
しくじるのは仕方がないんですが、ちょっと痛々しいしくじりが多い。
小言で泣いちゃったりとか。うーむ。

でも歌るた師匠はすごいと思いましたね。
何があってもちゃんと育てよう、という気持ちが画面から伝わって来ましたから。
自分も師匠に育ててもらった、という恩義が弟子に還元されていくのだなあと。

「誰かがしくじると居合わせた他の弟子までとばっちりの小言をもらう」
という、落語家あるあるを久々に見て、弟子時代を思い出しましたねえ。

まあ、男でも女でも、上手でも下手でも、やめたら「向いてなかった」という世界です。
60過ぎて芽が出る人もいますから(稀にね)
花が咲いて実がなるのか、最期までわかりません。

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