2014年10月31日金曜日

「めくり」問題はこれで解決!(プリンター編)





















寄席や演芸場に行くと(採用していないところもありますが)、
出演者の名前が書かれた紙が、木製の台に掛けられて舞台の脇に置いてあります。
複数の演者の名前が出番順に綴じられており、出番が来る度に紙がめくられ、
誰が舞台に上がっているのかを示します。

この演者の名前が書かれた紙を「めくり」といいます。またそれを綴じる台がめくり台です。

アマチュアの落語会や子供落語などでも
「雰囲気が出る」「演者のテンションが上がる」
などの理由で需要のあるアイテムです。

ところが、このめくりは作るのがなかなか大変。

完全自作するとなれば、寄席文字の練習からしなくてはなりませんし、
書き上げるのにはある程度時間がかかります。
もっともそこから入るのが大事なのかもしれませんが。

まあ今日明日必要ということになれば、印刷するより方法が無さそうです。
ところがプリンターで印刷しようにも家庭用のプリンターはA4サイズ。
A4に印刷して張り合わせるというのも、あまり見栄えがよろしくない。
「それらしく見える」というのは案外大事なことだと思います。

かといってそのために大判プリンターを買うというのもなかなか。
場所もとりますし。

うーん、これは困った。時間的にも懐具合にもやさしい手段は無いものか。

そういえば印刷領域はユーザー定義できるはずなので、
もしかしたらと試しに手持ちのプリンターを調べてみました。
A3印刷の出来るブラザーのMFC-J6510DWのプロパティを調べてみると














幅は287㎜と申し分ありませんが、高さ(長さ)が最大431.8㎜とめくりとしては短すぎます。

もう一台、エプソンのA4複合機EP-802Aもチェックしてみます。
A3プリンターで駄目なのだからまあ無理だろうと見てみると…

[プリンターのプロパティ]⇒[基本設定]⇒[用紙サイズ(一番下までスクロール)]
⇒[ユーザー定義サイズ]と進むと、












おお!用紙長さ1117.6㎜との表示が!これはいけそうです。

調べてみるとエプソンのプリンターは、この長さまで印刷できるものが多いようです。
低価格のビジネスプリンターなどネットで見られる仕様書からも確認できます。
(全てのプリンターが印刷できるわけではないようですから、ご購入の際はご注意を。)

よしよし。

さてそれではめくり製作開始です。
まずは模造紙(788×1091mm)を買ってきます。
ちなみに私が在住している愛知県では、模造紙のことを「B紙」と呼びます。
というかB紙と言わないと通じません。
(皆さんは文房具屋さんで押し問答をしないように…)

艱難辛苦して手に入れた模造紙(B紙)を切り分けます。
用紙幅は215.9mmが限界。ギリギリにするのもコワいので、
(210×1091mm)にカット。A4の紙と丁度同じ幅ですね。

さあ印刷するぞとワード(office2007)を起動し、
縦書き入力にして、勘亭流フォントで「背中家腰楽」と入力。用紙サイズを変更しようとすると、











なんと、ワードでは用紙の長さが558.7mmまでしか設定できません。
意外な伏兵。こりゃ困った。


印刷の拡大縮小でなんとかなりそうなので、
四分の一サイズで(105×505mm)でやってみたのですが、
そもそも文字位置の調整がうまくいきません。

余白の設定を0にしても、文字を大きくすると
こちらの画像のように字が左に寄ってしまうという仕様。

文字サイズをある程度小さくすれば真ん中におさまるのですが、
余白が多いというのはどうもよろしくございません。

印刷後にカットすればそれだけ小さくなってしまうし面倒。
この辺うまくやるテクニックがあるのかもしれませんが、
アタクシは御存知ないときている。

この余白をどうにかしないと、
「それらしい」めくりは出来そうにありません。



さてさて暗礁に乗り上げてしまった「めくり」製作。無事に印刷はできるのでしょうか。
ちょいと長くなりましたので(印刷編)は次回の講釈。


2014年10月4日土曜日

10月の落語講座のお知らせ

10月15日(水)、10月16日(木)は
背中家腰楽の落語講座がございます。

先月の演目は「今戸の狐」、

いっぱいのお運びありがとうございました。

このお話では、会話の中で使われる言葉が音は同じでも意味が違うことから、
誤解が次から次へと生まれていきます。

「(お金を)こしらえる」と言っているのを
「(今戸焼の狐を)こしらえる」ととらえてしまうという具合。

ところが不思議と会話そのものは成立しており、
お互い勘違いに気が付かないまま、どんどんお話が進んでいきます。
わかっているのは観客だけという、
落語「付き馬」の終盤のやり取りとよく似たところがあります。

暢気で楽しいのでワタクシも大好きなお話。

ただこの落語は皆様の前でやる上で、
「符牒」という、いわゆる業界専門用語についての
説明が必要不可欠。
ここはどうしても省くことが出来ません。

こういう「説明」が冗長にならずに、逆にお話に入り込めるようにする工夫は、
時代によって更新し続けねばならないところです。

符牒や裏話について、ただその話をしただけでは、
予備知識のない方は置いてけぼりにされてしまいます。

「伝わらなくても良いんだよ」
or
「きっちりやれば伝わるはず」
と威勢の良いこと言ったところで、
その一回で見限られたらオシマイなわけで。
より楽しんで頂くためのアップデートは欠かさないようにしたいものです。

今回は講座終了後に、お話の中で取り上げられる
江戸時代の博打「きつね」をお楽しみイベントとして行いました。


















博打「きつね」のルール

『親は三つのサイコロを入れた壺皿(カップ)を伏せます。子は1から6の目に賭けます。

三つのサイコロの内、賭けた目と一つ合っていた場合、二つ合っていた場合、
三つ合っていた場合、で配当が違ってきます。
もちろん合っていた目が多いほど多くなります。
例えば「2」に賭けて目が「2・2・2」だった場合は、賭けた元金+4倍の金額がもらえます。』

金張り銀張りと豪華に(チョコレートですが…)。

大変な盛り上がりをみせまして、皆様にお楽しみ頂けたようです。

この手の遊びをするときに注意すべきことは、
それを目的とした会費を徴収しないことと、
景品を主催者がすべて用意することでしょうか。

とにかく町内会のビンゴゲームと同じレベルに持っていくことです。
(解釈の仕方によっては違法性を問うことも可能でしょうが、)
誰かが損をする仕組みにしなけばよっぽど後ろに手が回ることはないかと。
念のため。

さて、今月の講座は、
随所にちりばめられたクスグリも面白く、
登場人物がみな正直で気持ちが良い、とされております落語。

これだけでわかる人にはタイトルがわかってしまいますね。

背中家腰楽の落語講座では
「落語はちょっとむずかしそうで…」という方も、
「あらかた知っているよ」という方も、
よりお楽しみ頂けるように
レジュメ、プレゼンテーション付きの落語をやらせて頂いております。


楽しいお話ですのでどうぞご期待ください!

10月15日(水)はJR岡崎駅より徒歩五分
様々な講座を開催しているこちらで。

場所  暮らしの学校 (JR岡崎駅徒歩5分)

日時  10月15日(水) 10:30~11:30

電話  0120-511-533

WEB  暮らしの学校(講座ページ)


10月16日(木)は、1階は特製自家焙煎コーヒー店、
2階は「ナマケモノ大学」を開催しているコチラにて


場所  喫茶スロース (JR蒲郡駅より徒歩1分)

日時  10月16日(木) 20:00より 

電話  050-3598-6745

WEB  http://ameblo.jp/slothcoffee/